待ち人 銀月

13/13
前へ
/26ページ
次へ
(お前は猫語でも話せんのかよ・・・) 心の中で笑うと、もう一度鳴く。 「ニャーン」(待っててくれ) 「気をつけて、生きていくんじゃぞ。昨日みたいに捕まらぬようにな」 「ニャー」(あぁ。・・・それじゃあな) 軽く手を挙げ、見送る月詠。 煙管から口を離し、煙を晴天の空に向かって吹き、空を見つめた。 ―――夜。 「!、おぉギン!どうやらお前も乗り切ったようだな」 公園には既に、ホウイチ・桂・ゴリ・・・近藤がいた。 「・・・、あぁ」 「・・・?、どうした、何かあったか?」 「早く、戻らねぇとな。早く、行かなきゃならねぇんだ・・・。アイツのところに・・・!」 そう、一人ごちて、雲ひとつない夜空に浮かぶ、銀色に輝く月を仰いだ。 END>>
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

194人が本棚に入れています
本棚に追加