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―――朝。
目覚めると、目の前には月詠の寝顔。
(・・・お宝だな)
力なく笑う銀時。
すると、月詠の目から一粒涙が零れ落ちた。
(月詠・・・)
昨日の会話を思いだす。
(アイツの弱音が聞けるのだけかよ、この体の利点は。・・・まぁ、この体が原因で、悲しませちゃいるが・・・。)
銀時は涙をなめとった。
(・・・・・・しょっぺぇ・・・)
―――昼。
既に月詠も銀時も起きていた。
銀時は月詠が持ってきた魚をたらふく食べて、今は月詠に連れられ地上と吉原を繋ぐ入り口に来ていた。
「ぬしは、もういくのか?」
拾ったばかりなのに、こんなことを聞くのは、一日過ごして、この猫との間に何かを悟ったからだ。
「なう」(あぁ)
短く返事を返す。
「ニャー」(ありがとな)
「・・・。どういたしまして」
次はキセルを吹いて、キリっとした笑顔で月詠が返事を返す。
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