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とりあえず設定作りに一段落着いた後のこと。
「は? お見合い?」
「うん」
沖田さんにお見合いすることを伝えると、彼は見事な固まった。
そして、ガバッと勢いよく起き上がった。
「ちょっ、そんな急に起き上がったら……」
「……」
ぼすっ。
すぐに力尽きて後ろに倒れた。
この人は馬鹿なんじゃないかと思うことが多々ある。
「却下します」
ムスッとした声が聞こえた。
「橘さんはお嫁になんか行きません」
結婚する気はないからいいものの、この人は何を言っているんだろうか。
「相手は幕府の人。華魅は男だって言って断るつもり」
「……なーんだ」
ふぅ、と沖田さんは息を吐いた。
「でも、辻褄が合わなくなりません? 上手く誤魔化せられますか?」
「華魅の身の上話を作った。それでなんとかなると思う」
「証明しろと言われたら?」
「問題はそこなんだ」
脱げ、とか言われたら困る。
「……まぁ、適当な理由をつけてかわそうと思ってるよ」
「不安なんですけど」
キッパリと言われた。
華魅自身も不安だから反論出来ない。
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