其之十七

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とりあえず設定作りに一段落着いた後のこと。 「は? お見合い?」 「うん」 沖田さんにお見合いすることを伝えると、彼は見事な固まった。 そして、ガバッと勢いよく起き上がった。 「ちょっ、そんな急に起き上がったら……」 「……」 ぼすっ。 すぐに力尽きて後ろに倒れた。 この人は馬鹿なんじゃないかと思うことが多々ある。 「却下します」 ムスッとした声が聞こえた。 「橘さんはお嫁になんか行きません」 結婚する気はないからいいものの、この人は何を言っているんだろうか。 「相手は幕府の人。華魅は男だって言って断るつもり」 「……なーんだ」 ふぅ、と沖田さんは息を吐いた。 「でも、辻褄が合わなくなりません? 上手く誤魔化せられますか?」 「華魅の身の上話を作った。それでなんとかなると思う」 「証明しろと言われたら?」 「問題はそこなんだ」 脱げ、とか言われたら困る。 「……まぁ、適当な理由をつけてかわそうと思ってるよ」 「不安なんですけど」 キッパリと言われた。 華魅自身も不安だから反論出来ない。
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