プロローグ3 ー最悪の対面ー

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プロローグ3 ー最悪の対面ー

トンッと押されて一歩踏み込んだとたん、少年の視界が一変した。 「なんだ…これ」 一瞬、だまし絵かと思った少年はあたりをキョロキョロと見渡した。  だが…どうも違うらしい。足元を臆することなく小動物が走り去る。 空には燦々と光を降り注ぐ太陽があって…周りには新緑が眩しいくらいの木々が生い茂っている。 耳には、鳥のさえずりが心地よく入ってくる…。自分がイメージしていた様子とはかけ離れすぎいる風景。  少年は戸惑った。 「これ…なんなんだよ。宮殿っていうよりただの…」 『森か?』 「え?」 少年よりは年上そうだが、まだ若そうな男の声がどこからともなく響いてきた。 『ガルシアの…王の代理だと聞いたから来てみたのに、目に映るモノに心とらわれすぎているまだ子供じゃないか』 「なんだって!」 『子供を子供といって何が悪い?』  姿も現さないで言いたい放題…キッと空を睨むと声が降ってきたあたりに向かって少年は叫んだ。 「私は子供じゃない!もう18歳だ!立派な大人だ!姿を現せ!」 『大人と認められる人物は自らを【立派な】なんて形容しないものだ。そんな言葉を使うこと自体、子供の証拠だ。不満なら帰れ。ガキ』 「なんだってぇ~」  子供あつかいの次はガキあつかい!なんなんだ!ここは!  もう一言二言、言い返そうとした瞬間、少年の目の前でつむじ風が起こり一人の男が現れた。 真紅の髪、ザクロの実のような透き通った赤い瞳。 全身から漂う威圧感。かなりの長身。 『俺の姿を見て怖くなったか?ガキ』 「ガキガキって連呼するな!私には、ガルシア国の第一王子のラヴァーンというれっきとした名…」  バコッ!! 言い終わらないうちに少年…ラヴァーンは男に頭を殴られていた。
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