《記憶》‐a memory‐

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石に囲まれた暖かい炎に暖かい飲み物。 あれは何だ? 何故だか俺はイタルと名乗った男家にと招かれていた。 ここは分からないもの、ばっかだ…… 「あったか、い」 「そういや、坊主名前は?」 そりゃ良かったと、歯を出して笑ったイタルは思いだしたように聞いてきた。 ぼう…ず? 「な、なま?」 なんだそれ。 口に出していたらしくイタルは小さく笑うと訂正をいれた。 「……いや、名前な。」 「あ?」 「……名前だよ。」 「なんだ、それ?」 ニンゲンはニンゲンじゃない。 名前というものがあると知った。 「名前がないのか……」 そうだな~と言うとイタルは指を顎へ持っていき考える仕草をする。 いまだにたち続けていた俺をストンと椅子に押し付け座らせる。 「お前は今日から朔。分かったか?お前は朔!」 そう言って笑った。
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