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キーンコーンカーンコーン
「飯だ~!」
文也が大声で言った瞬間、ざわざわしてた教室は一瞬で静かになった。
「お前はいちいちうるせー奴だな~」
「うるせーとはなんだよ。自分の素直な気持ちをあるがままに声に出しただけだ!」
自信満々に腕を組ながらリョーマに言う。
「はいはい分かりました。早く飯食いにいくぞ。」
「おう!」
リョーマと文也はいつも屋上で昼食をとるので、駆け足で階段を上ると、突然女子が話し掛けて来た。
「リョーマ先輩!」
「リョーマ、お呼びだぞ。毎度毎度羨ましい奴だぜ全く。先に行ってるぞ!」
呆れ顔になりながら文也は屋上へ向かう。
「で、なに?」
リョーマは女子の方向を向く。
「あ、あの、その…」
「早くしてくれないかな。」
リョーマは少し怒り気味に言った。
「あ、あの、先輩の事が好きです。よ、よかったら、付き合ってください!」
「ごめん、俺ほかに好きな奴いるんだ。ごめんな。」
そう言ってリョーマはその場を立ち去る。勿論リョーマに好きな人なんていないのだが、そう言った方がすぐに諦めてくれると思ったので、毎回同じ事を言って断っている。
「お待たせ。」
「おっ、今日はいつもよりお早いお着きで。」
「まーな、今日は拒否って逃げて来たから。」
「くそっ、なんでこいつばっかりもてるんだよ、俺だって結構良い線いってるだろ…ブツブツ」
「何ブツブツ言ってんだよ。」
「何でもねーよ。飯食うぞ!」
「お、おう。」
リョーマは文也の隣に座って弁当を開けて飯を食べる。
「なぁリョーマ、次の授業って魔法人間とヒューマノイドの闘った歴史だよな?」
リョーマ達の学校では、5時限目の授業は、魔法人間とヒューマノイドの闘った歴史の変わった授業がある。
「そうだな。それがどうかした?」
「俺授業休むわ。」
「分かった。」
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