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と、思いきや。
リョーマはそれをことごとくかわし続けていた。
「この野郎っ!ちょこまか動きまわるんじゃねーよ!」
「やなこった」
すると、男子生徒は跳び蹴りをして来た。
リョーマはそれをかわそうとするが、避ける方向を間違えてしまった事に気づく。
『っ!このままじゃ野次馬どもに跳び蹴りが当たっちまう!くそっ、しょうがねー』
リョーマは足を止め、跳び蹴りを止める体勢になる。
が、予想以上の威力だったため受け止めきれなかった。
リョーマは呻く。
「ぐっ!」
男子生徒はそれを見逃さなかった。
男子生徒はリョーマを掴み上げ、殴る。
「おらっ!さっきまでの威勢はどうした!」
鈍い音と悲鳴が教室内に響き渡る。
ドカッ ボコッ ドカッ キャー イヤー
すると、倉田の背後から女の声がした。
「ちょっと倉田!あんた何してるのよ!リョーマ君はあんたの跳び蹴りを後ろにいる野次馬たちに当たらないようにわざと立ち止まったのよ!それを殴り続けて楽しいの!?」
リョーマは倉田の手を振り払うと拳を作った。
と、同時に教室内に突風が巻き起こる。
その突風はリョーマの拳に纏わりつく。
「よくも殴り続けてくれたな」
リョーマはそれを知ってか知らずか、倉田に殴り掛かる。
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