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一通り終わった後、陰は肩を落として机に頬をつけてうな垂れていた。そうしていると笑い声が頭上から聞こえてきた。
ゆっくりと頭を上げると、教室の入り口で会った悠真が堪えきれなかった笑いを漏らしていた。
「悠真さん……」
「ご、ごめんね。笑うつもりはなかったんだけど、おかしくて」
笑いながらそう言って、ひとしきり笑った後、自己紹介をした。
「わたしは悠真 澪。『練術士』だよ」
「で、俺が『騎士』の仁王 翔だ。よろしくな、陰」
自然に会話に参加してきた翔に、陰は引きつった笑顔で「よろしく」と応える。
「しかしあれだな。外部からの生徒がAに来るなんて珍しい」
笑顔にも関わらず、翔からの視線はどこか相手を覗き込むようなモノを感じられた。
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