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「しかも名称が『演』だろ? この学校は外部が簡単に知れるものじゃないぜ?」
段々と疑いの声が強まって、陰が言葉を探していると、横から澪がため息をついて言った。
「そういう仁王も中学の途中で入って来たじゃない。別にどんな経緯でもいいでしょ」
澪の言葉が聞いたのか少し口を尖らせて「ちぇ」と言うと拗ねてしまったのか、窓の方を向いてしまった。
「そういえば水澤君はAクラスに『裏授業』があるのは知ってる?」
「裏授業……?」
担任から簡単な説明を受けてはいたが、そんな話は少しも出て来なかった。陰は首を左右に振って、知らないということを伝えた。
「術士にしろ、騎士にしろ、そういう名称、行う系統がわかっているのにそれを行うカリキュラムはないよね?」
「そういえば……ないな」
主要五科目と体育や芸術の授業など、どこの学校でも普通にあるものばかり。確かに、そこにはAクラス独自のものがなかった。
陰が納得したのを見たのか、澪はそのまま話を続けた。
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