第1話

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「これは中学からそのままらしいからわかるんだけど、毎週三回、放課後の『部活の一環』っていう建前の上で行われるの」  納得したように頷いた陰は、時間割を取り出して確認する。確かに定期的に『部活』という項目が入っていた。これが澪の言う『裏授業』のことなのだろう。 「あれ……それって今日?」  曜日を確認して呟くと、澪が「そうだね」と笑う。 「でも大丈夫。今日はきっとオリエンテーションみたいなものだと思うし」 「だといいな」 「仁王っ」  澪の楽観的な考えに未だに窓を向いたままの翔がそう言った。それに怒った澪が軽く背中を叩いたりして……。  そんなたわいのない事をしながら、時間は過ぎていった。
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