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『名称』と『系統』。それはこの学校の、陰のいるAクラスのみに通用する共通語だった。陰は何度か逡巡して、他の生徒の期待の視線を感じて観念した。
「水澤 陰。『術士』で正確には『演』。系統は『水』。よろしく」
立ち上がってそれだけ言うと、また席に座る。だが、その言葉を聞いた何人かの生徒は「誰だよ、水澤が『騎士』だって言った奴ー!」や「これで『術士』の人数が増えた!」などだった。
しかも……
「ちょっと待て! お前ら俺で賭けてたのか!」
先ほどの青年―仁王―を中心として、男子数人が一喜一憂しているのだ。思わず陰はそう言ってしまった。しかも、この状態に担任は何も言わない始末。
「って、先生も賭けてたのかよっ!」
そこにはご満悦の担任がいた。
……後日、担任は理事長からたっぷりと説教を食らう羽目にはなるのだが、これはまた、別の話。
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