場所

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怖い男の方が、部屋の上座の方にドカッと胡坐をかいて座った。 「まずはお前えの名から…っっ…おいっ?!」 着ていたコートを脱いで、凛をその上に寝かせようとした蒼を見て、男は目を見開いた。 「へえ…、変な羽織の下にも、変な着物着てたんですね~?」 蒼の横にちょこんと座る、ニコニコ顔の男が言った。 蒼は、膝上までのニットのワンピースにレギンスと、至って普通の服装をしている。 「その赤毛に、破廉恥な着物…お前え…夷人(イジン)か?」 「異人?外人の事ですか?…なんでそんな事…?もちろん違います。 私には貴方がたの方が、…時代劇みたいです。」 (…うん、格好もだけど…というよりは…建物も部屋も…) 言いかけて、キョロキョロと回りを見回した。 「あれ?電気…ない?テレビ…はなくてもいいか。……でも、窓ガラスは?カーテンも…ない…ですね…。」
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