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「…ごめんなさい。」
蒼はそっと立ち上がり、土方の傍へ寄った。
「ああ?」
怪訝そうに振り向くが、蒼は怯まず目を見つめたまま、言葉を続けた。
「私、…また…ただ単純に、そうなったら嫌だって思って…。今度は何かしたいと思ったんです。…でも、組の事とかはまるで頭になくて…。土方さんが深く考えていることに到底及びません。」
そう言うとすぐ俯いた蒼に、はあ…とため息を一つ吐くと、土方は両手で蒼の顔を包み仰向かせ、優しい眼差しで見つめた。
「俺に及ばねえ?当たり前だ。
……お前えって本当、考えなしで、すぐ泣いて落ち込むわ、立ち直ったと思やまた面倒臭え事に首突っ込もうとするわ…」
フンと鼻で笑って意地悪な顔になると
「…年のわりに、餓鬼くせえな。」
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