友達以上家族以下?

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 俺と穣は子供のころからの付き合いで、年がら年中一緒にいる、もはや家族みたいな存在だった。俺は、俺が生まれると同時に母親を失っている。出産に無理があったという話を後々父親から聞かされたことがあった。母親の命の代わりにもらった命だから大事にしろと、そう言って出てった日に、父親は交通事故にあって死んで しまった。  父親は何かを悟っていたのかもしれない。そんなことを思いながらも、あり得ないことだと割り切り、俺は一人暮らしを決めた。親戚はいなかったし、頼れる人も居なかったからだ。名前の通り明るく正しく人生を歩んで行こうと決めた日も、父を亡くした日だった。  正直、暗くなってしまっていた。ショックで生きる気力もなくなっていた俺を、その日に穣が励ましてくれたからだ。  お隣に住んでいる穣の両親は、穣が小さい頃に出かけた家族旅行の時に運悪く事故で亡くなっている。奇跡的に同乗していた穣だけは助かったのだが、 「あ、痛……」
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