1.出会い

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「その人たちは、一体僕のなにがムカついてそんなことするのかなぁって……いつも考えてるんですけど、分からなくて」 「…………」 僕は泣きそうになるのを必死にこらえて笑顔を作る。 「自分じゃ、どうにもできなくて……」 「……俺がお前を守る」 「えっ?」 僕が見上げたら、隣に座るツバサ先輩は腕を組んで目を閉じていた。 「1回しか言わねー」 「ええっ!?なんて言ったんですか、今!聞き逃しちゃいましたよー!!」 「うるっせーよ!!!」 ダンッ!! 「(ビクッ!!) あ、あの、ツバサ先輩?こ、ここ、一応病院の待合室ですよ?あんまり大きい声出すと周りに迷惑が……」 「あ゙ぁ?」 「いえ、なんでもありません」 だから不良は嫌いなんだってば……! 「青梨さーん」 「あ、はい!」 受け付けに呼ばれた僕を、ツバサ先輩は見てはいなかった。 支払いを済ませると、僕はツバサ先輩が待つ病院の出口に早足で向かう。 「すみません、お待たせしました……!」 「お前んち、どっちだ」 「あ、はい。案内します」 僕は渋々ツバサ先輩の前を歩く。 僕の家は学校から徒歩15分のところにあるマンションだ。 「あ、あの……ツバサ先輩?」 「あ?」 「もうすぐそこなんで大丈夫です。送ってくださって、ありがとうございました」 僕はツバサ先輩に頭を下げた。
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