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「こっ、こここ骨折ってソラ、大丈夫かぁぁぁっ!!?どれ、どこだソラ、どこが折れてるんだ」
「やめてよお父さーん!!」
はぁはぁ言いながら僕のジャージの裾をめくるお父さんを殴って止めたのはツバサ先輩だった。
「い、痛いよツバサくん」
お父さんは頭をさすりながらツバサ先輩を見た。
「あんた自分の息子になにしてんだ」
「いや、ちょっとソラのかわいい肌を触……じゃね、骨折の箇所の確認を」
「…………」
ツバサ先輩は呆れながらお父さんを見ていた。
「まあいい。それで、どうして骨折なんかしたんだソラ。はっ!!?ま、まさか誰かに襲われ……」
「ち、違うよ、えーと……大きい猫とちょっとケンカして……この通り、制服も引き裂かれちゃって」
ツバサ先輩が僕のことも呆れた目で見た。
「何ィィイ!!?けしからん猫め!!!うちのソラにケンカをふっかけるとは!!!全人類を敵にまわしたな」
「そこまで!!?」
僕は制服を抱きしめながらお父さんを見上げた。
お父さんは鍵を拾って玄関を開けると、僕の頭に手を置いた。
「何はともあれ、新しい制服を買わなくちゃならないな」
「! うん!」
「それまではパパの制服で我慢してくれ」
「うん?お父さんの制服?」
お父さんの後を追って家に入りながら、僕は首をかしげた。
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