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お父さんは真っ直ぐ自分の部屋に僕らを案内すると、クローゼットを開ける。
「ほーらソラ、どれがいい?ソラの保存用の制服、ソラの鑑賞用の制服、ソラの実用用の制服」
「えっ、実用用って何に使うの!!?っていうか僕の制服がこんなにたくさん……!」
……買う必要なくない?
僕がぼけっとしてたら、ツバサ先輩がお父さんの手から制服一式を奪う。
「ソラ、もうこれにしろ」
「あ……」
そして僕に渡してくれた。
「あ、それは実用用だからパパがちょっと使っちゃってるけどいいかな?」
「だから何に!!?」
お父さんは僕よりだいぶ背が大きいから、この制服を着ることはできないはずだ。
見た感じも新品そのものだし、一体何に……。
……怖いので、僕は考えるのをやめた。
「さあさあツバサくん。ケーキを買ってきたから食べなさい。お茶をいれるよ」
お父さんはツバサ先輩を連れてリビングに行く。
僕は制服をしまいに自室に向かい、そのままシャワーを浴びることにした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソラの親父はとんでもない親バカだった。
「ツバサくんはソラとはどんな関係なのかな?」
「…………」
紅茶を出してくれたソラの親父が聞いてくる。
ニコニコ笑ってるが、コイツは、
「返答次第で、その綺麗な顔を原形をとどめないくらいに潰させてもらうけど」
俺と同じニオイがする。
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