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「何だ今の?小学生か?」
アキラが振り返って言う。
「制服着てたじゃねーか。青いネクタイだったから新入生だろ」
「良く見てんなお前。それにしてもちっせー奴だったなぁ」
3階の校長室に着くと、俺たちは部屋のドアをノックした。
「失礼しまーす」
アキラがドアを開けるが、中に校長はいなかった。
「呼び出しておいて留守かよ」
アキラはソファーにドカッと座る。
俺はアキラの前をスルーして校長机に向かい、そこの皮張りの椅子に座った。
つかの間の校長気分だぜ。
なんて小学生みたいなことを考えていたら、外から声がした。
「ん?」
「どーした?」
俺は窓を開けて外を見下ろす。
校舎裏のそこには3人の2年とさっきの……ソラがいた。
2年の奴らはソラを囲むように立ち、逃げ場を塞いでいる。
ソラはびくびくしながら3人を見比べていた。
「ソラちゃん、俺ら今金がなくてさぁ~」
「カツアゲか?ダッセーの」
いつの間にか俺の隣にきていたアキラが、窓から下を見下ろして言った。
「金なんて手下が自ら献上してくるくらいじゃねーとな。こんなちまちま回収するなんてやってらんねーぜ」
アキラはため息混じりに様子を見ている。
俺は眼下の小さな1年が起死回生のフックでも繰り出したら助けてやろうと決めた。
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