1163人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
「ソラちゃ~ん。次はこの服いってみようかァ」
「清蘭女子高の制服だぜ」
「……~~……っ!」
「おい、なんだその目は」
「ちょっと調教してやれ。あ、顔以外な」
「うす」
ドスッ
ドカッ
「~~~~っ!!」
見苦しいところをお見せしてすみません。
僕は青梨空。
花の高校1年生です。
何をされているかというと、放課後の学校の屋上で不良5人にリカちゃん人形ばりに服を取っ替え引っ替え着せられ、出会い系サイトに載せる写真を撮られています。
それも男としてではなく、女の子として。
「オラ、顔上げろ」
「っ!」
不良の一人が僕の髪を後ろに引っ張り、顔を上げさせる。
僕の正面にはカメラを持った不良。
「叫んだら殺すからな」
そう耳元でささやかれて、口からようやく手が離される。
「っはぁ、……はぁ、……!」
僕は目に涙を浮かべながら、久々に空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「ソラちゃん、こっちこっち~」
「……っ」
僕はカメラの不良を睨んだ。
「そうそうその顔その顔!そそられるね~」
悔しい。
僕は何も悪いことをしてないのに。
でもこの状況から脱却するすべを僕は持ってなくて、ただなされるがまま、不良たちに出会い系サイトのサクラ写真を撮られている。
「おい」
その時、5人以外の声がした。
「あ?」
カメラを持った不良が振り返る。
僕も涙で霞む視界でなんとか声の主を探したら、屋上の入り口にケータイを持った男の人が立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!