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「これ、お前らが撮ったのか」
持ってるケータイを見せながら言った男の人は、ネクタイが赤いからきっと2年生だ。
ミルクティー色の髪をワックスでガチガチに立て、背が高くて、男の僕から見てもすごくカッコいい顔をしてる。
ただちょっと目つきが怖かった。
「赤井か……お前には関係ねえ」
カメラの不良が僕に向き直りながら言った。
赤井先輩、っていうのか……なんて思ってたら、僕はまた髪を引っ張られて顔を上げさせられた。
「関係なくねーんだよ、この……カスが!!!」
ドォッ!!
「ぐはぁっっ!!!」
赤井先輩が背中を向けたカメラの不良の頭に蹴りを入れた。
蹴られたカメラの不良はびっくりするくらい吹っ飛び、屋上のフェンスにぶつかる。
「あ、赤井?」
「落ち着けよ赤井!俺たちお前になんも迷惑かけてねえだろ?な?」
他の不良たちがそわそわしてるのが分かる。
僕はというと、目の前にやってくる赤井先輩が怖くて怖くて声が出ないでいた。
「迷惑かけてねえだァ?ふざけんじゃねー。ここは1年以上前から俺の場所なんだよ!!」
「や、やめろ赤井ィィィ!!!ぎゃあっ!!!」
バキィッ!
「それをなんだァ?出会い系サイトの写真撮りィ?人の場所で何してくれてんだ、バカかお前ら!!!」
ドキャッ!!!
僕の背後にいた不良にも赤井先輩の蹴りが決まり、肩をつかまれていた僕も一緒にぶっ飛ばされた。
「痛……っ!」
「オラァァァア!!!」
バキッバキッ
ドスッ
ドガガッ
赤井先輩はたった1人で不良5人をあっさりとやっつけてしまった。
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