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5人を鮮やかに殲滅させた赤井先輩は、ふぅ、と息をはくとケータイをいじりながら僕のところへやってくる。
ヒィィイ……!!
き、気絶しといた方がいいかな!?
「おい」
「は、はい!!!」
あ、返事しちゃった。
「これ、お前だろ?」
「え」
それは確かに、さっき僕がセーラー服を着せられて撮られた写真だった。
「色んな出会い系サイトに出回ってんぞ」
「あああああ……!」
赤井先輩はさらにピ、ピ、ピ、とケータイを操作する。
「これもお前だろ?」
「あっ、そ、そうです!!」
「これも出会い系サイトに登録されてんぞ」
「ど、どうしよう……!」
赤井先輩は、リーダーっぽい不良のところに歩いていくと、引っ切りなしに鳴りつづけるその人のケータイを拾い、その人の上にドカッと座ってケータイを操作する。
「あ、あの、赤井、先輩!」
「あ?」
赤井先輩は僕を見ずに返事をする。
「な、縄、ほどいてくれませんか……」
そう言うと赤井先輩は顔を上げた。
僕の手足は縄で縛られている。
そして、
「自分でなんとかしろ」
そう言うと再びケータイに目を落とした。
僕はガクッっとうなだれて、仕方なく腕の縄を解こうとする。
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