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「う~ん、うく、むぅ、うっ……!」
「…………」
「ほ、ど、け、な……う~ん!」
「…………」
ってか赤井先輩完全無視?
明らか故意に無視してるよねぇこれ?
「う~~~っ!!……はぁ、はぁ、はぁ……」
「…………」
赤井先輩が立ち上がった。
え?
なに?
なになになに!?
僕の方に来るんだけど!!!!
「てめえ……」
ぎゃーーーーーー!!!
サバイバルナイフゥゥゥ!!!!
なんでそんなもん持ち歩いてんのこの人ああ不良だからかぁぁぁ!!!
刺され……っ!!
ブチッ
ブチッ
「…………え?」
「うんうんうるせえんだよ!!黙ってろ!」
「あ……」
赤井先輩がナイフで僕の手足の縄を切ってくれた。
手足が自由になった僕は、遠慮がちにうーん、と伸びをする。
まずはこの女子の制服姿をどうにかしなくちゃ。
「僕の制服、僕の制服、僕の制……ひゃああっ!!!」
「うるせえっつってんだろ!!!」
「僕の制服が……!」
僕の着ていた制服が、おそらく不良たちの手によって……ビリビリに裂かれていた。
「どうしよう……!お父さんになんて言えば……!」
「女子に目覚めましたとか言ってろ」
「無理ぃぃぃ!!!」
僕は頭を抱えてうずくまった。
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