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「ふぇ……うっ、く……ひっく……僕の制服が……」
「…………」
ピ、ピ、ピ、……
「ぅう……ぐすん……ふぇぇ……」
「…………」
(ブチッ)
「制服なんてそんなんまた買えば済む話だろうがァァァ!!!男のくせにいつまでもグスグス泣いてんじゃねえよ!!!……はっ!?お前、男……だよな?」
赤井先輩はハッとして僕の顔をまじまじと見つめた。
あまり言いたくないけど、僕は死んだお母さんゆずりの女顔だ。
この歳になってもまだ、女の子と間違えられることが多々ある。
「男ですよ!女だったらどうしてこの学校の中にいるんですかぁ」
ここは星屑男子高等学校。
都内でも有数の……とまではいかないものの、そこそこ優秀な進学校だ。
男子校。
だから僕はここを選んだ。(あと家から近いってのもあるけど)
ここの制服を着てれば、誰も僕を女の子と間違えないから。
「だったらぐずぐずしてんじゃねーよ。おら、これで最後だ」
「え?」
赤井先輩はケータイをピッと押すと、自分の足元に落とし、ガンッと踏ん付けた。
不良のケータイがバキッと音をたてて壊れる。
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