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「だ、だめですよ!!僕、殺人事件の起きた学校になんて通いたくないです!!きっと他の生徒もそう思ってますよ!!」
「俺は別に構わねえ。嫌になったら転校する」
「だめですー!!!」
僕の必死の説得(?)により、赤井先輩は舌打ちと僕への憎悪の睨みをきかせるだけで不良を屋上から突き落とすことを諦めてくれた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「…………」
僕は息を切らしながら破れた自分の制服を拾い集めると、赤井先輩に頭を下げる。
「はぁ、はぁ、た、助けていただいて、どうもありがとうございました」
そして屋上を出ようとして、ドアノブを掴んだとき。
ダンッ!
「(ビクッ!!)」
僕のすぐ脇に赤井先輩が手をついた。
「あ、赤井せんぱい……?」
「翼でいい、ソラ」
「!! 僕の名前、知って……、」
「送ってく」
「え?うわあ!!!」
次の瞬間、体がふわりと浮いた。
僕は赤井せんぱ……じゃない、ツバサ先輩に俵担ぎされていた。
「いた、いたた、ツバサ先輩、先輩の肩の骨がお腹に当たって痛いんですけど……!」
「…………」
僕がそう言うと、先輩は僕をひょいっと持ち替えてお姫様抱っこした。
は、恥ずかしすぎる……!!
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