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「ユリー、誠ちゃん来てるわよ」 すらっとした綺麗な女性がユリの部屋に歩いてゆく 「うーん、もうちょっと・・・」 馴れない制服に手間取る少女が無愛想に応えた 女性はユリの部屋に入るなり、呆れた顔で言う 「いつまでやってるの、誠ちゃん待ってるよ?」 ユリは不安げにその女性を見て言う 「お母さん、スカート変じゃない?」 そう。この綺麗な女性がユリの母親、渚 静流だ 「大丈夫よ。お母さんの娘なんだから、何着ても可愛いわよ」 鏡に写った自分を観ながら静流は言った 「はいはい。今日もお母さんキレイですよ」 呆れたユリは、静流の横を抜けて玄関に向かった 「おっそーい!初日から遅刻なんてさせんなよ?」 ユリと同じ高校の制服を来た誠が待っていた 「あっ・・・(誠君、制服似合ってる。ってゆーか、ちょっとカッコイイかも)」 ボーっとするユリ 「おーい、朝っぱらから天然かぁ?」 そう言いながら軽くユリの頭をたたく 「あっゴメン」 ユリは慌てて靴を履いた 静流が玄関に来て、 「誠ちゃん、制服ステキね!カッコイイわよ」 嬉しそうに言った 誠が照れながら言う 「静流さんもキレイですよ」 二人の間に割って入るユリ ふて腐れた顔で 「お母さん!い・っ・て・き・ま・す!」 「あら、妬いちゃって」 ニヤつく静流 「誰がよ!」 そう言うとユリは、誠の手を引っ張り出て行った
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