第1話

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こんにちは。私、桐生りなと言います。 この春、晴れて王華大学の生徒になりました。 なので、今私は入学式に着て行くスーツを買いに来ています。 でも… 「りな。決まったのか?」 今私の名前を呼んだのは愛しい彼。 「先生…まだ」 先生とは、魁皇昴。私がこないだ卒業した王華高校の数学講師。背が高くて、凄くイケメンなのだ。 「こっちとこっち。どっちにしようかなって」 「どれ…」 本当は母親と来るはずだったんだけど、都合が悪くなっちゃって。先生に話したら車でショップに連れて来てくれたんだ。 「こっちが良いんじゃないか?」 「でもこっち値段が高」 「まずは試着して来い」 「…はい」 私は、先生に半強制的に試着室へと送られた。  
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