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私は着てきた服を脱ぎ、スーツに袖を通した。
「うわぁ…」
初めて着たスーツ。自分が大人っぽく見えて、なんだか背筋が伸びた。
「どうだ?」
「先生」
私は試着室のドアを少し開け、先生を見る。
「しゃきっと出てこいよ」
ほんの少し開いていたドアを、先生はガッと開ける。
「なんだ似合うじゃねぇか。何もったいぶってんだよ」
「いやぁ…何か恥ずかしいなって思いまして…」
先生の切れ長の綺麗な目で、私の足の先から頭まで見られると思うと、「どぉ似合う?」って出て行けなかった。
「よし。それにしろ。大学生に見えるぜ」
「大学生……じゃあ、着替えるね」
「りな?」
パタン
私は静かに試着室のドアを閉めた。
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