第一章

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*** わざわざ雑木林のなかを歩き、畑に出て、丘を上り、土手に沿いながら歩き、また雑木林にであった。 次の雑木林が見えたことに期待し、嬉嬉として雑木林に向かって行く。 しかし、その雑木林は少々事情が違う様だ。 まず、電子レンジがポツンと捨てられていた。 近寄れば電子レンジの奥には捨てられた冷蔵庫がまた一つだけ棄ててあり、その奥には壊れたタンスが棄てられていた。 ただの不法投棄か、と思うがだんだん奇妙に思えて来る。 何故、ポツンポツンと道標の様に投棄されているのか、僕は不思議とこれは道標だと断定出来た。 そう思うとそのゴミに対して、普段は気分が悪くなるのに、期待していた。 僕は導かれるかの様にその道標を辿った。 ただ、何か、磁力にも似た惹きつける力に惹かれて。 *** 奥へ奥へと道標である、粗大ゴミを辿りながら、僕は確信した。 これは「何か」と僕を繋ぐ道標だと。 五十メートルも進んだだろうか、その時になってこれは林ではなく森だと気付いたが、様々な木が生えている森林を雑木林と称する以外僕は言葉がない。 だから、これは雑木林だと僕は呼ぶ。 他に呼び名があるのだろうか、と思いながらも歩く。 すると突然山が現れた。 粗大ゴミをうずたかく積み上げ、築き上げられた。 それは文明の利器と称されたもので、今や見る影もない大きな山だった。
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