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「ようこそ、最果てへ」
少女はそう三度告げた。
高い高いゴミの山の上に座る少女の姿に息を呑む。
真っ白なワンピースが夕日を浴びて赤くなっている。
そして、澄んだ青い瞳。
彼女の姿は遠くからでもハッキリと見えた。
クラッときた。
その瞬間に僅かによろめき、重心が安定しなかったためか足場が不安定になり、転げ落ちた。
高いガラクタの山の下に落ちる。
痛みを感じる箇所を右手で押さえて見上げれば、頂上にいたあの少女は見えなかった。
“ガラクタの塔の少女”と勝手に名付けてみる。
悪くない。
すると、少女はタンタンタンとリズム良く不安定な足場を物ともせず飛び降りてくるのが見えた。
体重を感じさせない跳び方に舌を巻く。
しかし、僕の座り込んだ所までは降りずに途中で座るに丁度良さそうなガラクタを見繕い座る。
改めて少女を見て、さて、あの少女は何を眺めていたのか、何故此所にいるのか、気になって仕方がない。
聞こうか聞くまいか、考えあぐねて沈黙に徹すると、少女が告げた。
「君は百三人目に此所に辿り着いた。そう、この世の最果てへ、だ」
そのまま彼女の透き通った声は告げる。
「そして、この『最果て』に鎮座する私こそが」
一拍の溜め。
ごくり、と自分の唾を飲む音がやけに大きく聞こえる。
「神、だ」
ザァァァァァ、とガラクタを積み上げた山の向こうから木々の波打つ音がくぐもって響く。
神と名乗った少女の言葉は良く分からなかったが、これだけは言うべきだと思い、少女に向けて言ってしまったんだ。
「はじめまして」と。
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