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それから一ヶ月間、
いつもと変わらない
日々を過ごしていた。
私わ週のほとんどを
零君の家で過ごしていた。
「 おかえり! 」
「 ただいま。 」
「 ご飯できてるよ! 」
「 なな、プレゼント 」
「 指輪…? 」
「 うん、一ヶ月おめでとう。 」
「 有難う… 」
それは皮肉にも
中学の頃、間中が
初めてくれたのと全く同じ
指輪だった。
正直、嬉しいというより
複雑だった。
指輪を見つめたまま
黙り込むあたしに
零君わ
「 外してよ。 」
「 え? 」
「 もう瞬の指輪外して
俺の付けてよ。 」
普通ならそうしなきゃだよね…
なかなか指輪を外そうとしない
あたしに零君わ
「 つか、捨ててくんね? 」
「 え…? 」
外すならまだしも捨てるなんて
できない…
「 いい加減あんなガキ忘れろよ。 」
あたしわその一言に腹が立った。
弟でしょ?
そんな言い方ってなくない?
「 何それ…零君の弟だよ?
捨てるなんてできないよっ… 」
バチンッッ
「 痛っ… 」
この時あたしわ生まれて初めて
男の人に手を挙げられた。
バチンッッ
短気で男まさりで喧嘩っぱやい
あたしわ勿論やり返した。
「 ……… 」
零君わ冷たい目であたしを
見下して黙ったまま。
「 てめー女の顔ひっぱたくなんて
最低だろーが! やっ・・ 」
零君に思いっきリ胸ぐら掴まれた。
「 女とかの前にガキが
んな言葉使うな。 」
ドカッッ
「 うっ… 」
今度わお腹を蹴られた。
「 指輪捨てろよ 」
「 やだ! 」
ドカッッ
集中的にお腹を蹴られ続けた。
「 ゴホッケホッ… 」
「 指輪捨てて? 」
「 それだけわできない! 」
ドカッッ
「 痛いよ!!もうやめてよ!! 」
蹴られてバランスを崩して
倒れ込むあたしを
無理矢理起き上がらせてわ、
蹴るの繰リ返し。
お腹が痛くて自分で
立ち上がる事もできない。
痛くて、悔しくて怖くて
あたしの顔わ涙でぐちゃぐちゃだった。
でもこんな奴にこんな事されて
泣きたくなんかない。
歯を食いしばっても我慢しても
涙が溢れ出す…
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