始まり

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父親は実業家で数億円の遺産が有った。しかし相続の際、ハルがまだ中学生の無知を良い事に付き合いの無い親戚や役人がぞろぞろと集まり根こそぎ奪っていった。結局家と少しの生活資金だけは残された。どうやら面倒を見るのは嫌だったらしい。 ハルはゆっくり高校に向かった。家からたいした距離はないので疲れる事は余り無いだろうが彼の足取りは重かった。問題はクラスメートにある。彼は毎日数人の男子生徒に執拗極まりない嫌がらせを高校に入学して直ぐ受けていた。理由は幾つか有るのだろうが特に攻撃される理由として彼の容姿だろう。華奢で中性的な顔立ち、物憂げな雰囲気は周囲の男子から的にされてしまったのだ。そのせいで彼の心の影を大きくさせていたのだった。
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