雨音

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家に着く頃には雨は強く、雨音以外聴こえない位のどしゃ降りになっていた。急いで制服を脱ぎ捨て、子猫を抱えたまま風呂場に駆け込む。僕もだが意外と冷たい雨に打たれた子猫も震えている。最初はお湯に驚いたらしく暴れたが、次第に大人しくなり、途中からお湯を楽しんでる様子さえ見えた。流石に顔をシャンプーで洗われるのは嫌がられたが、体の汚れは綺麗に落とせた。 風呂から上がりドライヤーで自分の頭と猫の体を乾かし、牛乳を少し温めたものを猫に。そのまま温め続けてたものを僕が飲んだ。結構入れたのにもかかわらず僕がミルクを飲みはじめる頃には子猫のミルクは空になっていて少しビックリした。「腹減ってたんだな。」 ふわふわになった子猫の頭をそっと撫でた。 子猫は僕を見つめて嬉しそうにニャアと鳴いた。
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