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私は、ラジオとこの現状をみてこれが東京で起こった直下型の大地震であることにはすぐ気づいた。
大きな揺れに壊れた建物、そして地面を見ると水浸しになりマンホールが浮きだしになっている。
【液状化】という現象だ。
液状化現象というのは、地震が起きた際に地下水位の高い砂地盤が振動によって液体化する現象である。これによって比重の大きな建物が沈んだり傾いたりする。逆に比重の小さな物、下水管やマンホールなどが浮きだしたりする。サンドクイックなどと呼ばれるが初めて見た。
私は、マミの手を引っ張り水浸しの道を歩きはじめた。とりあえずは街へ行こうと考えたのだ。
水もなく食料もない、これでは体がもたないと考えたからだ。マミは『どこにいくの?』
と答えだが街に行くとは言えなかった。もう私達の知っている街はもうないだろう。
もし東京で6.9以上の地震が起きた場合の死者は約1万2千人を越えるだろうと言われていた。もしかしたら私達は生き残った事は運がいいことなのだろう。一抹の不安とともに街へ向かった。
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