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桜は我が耳を疑った。
「なんで昨日会えなかったの?
いつも会ってたじゃん」
美樹は修にしがみ付きながら声を荒げている。
「俺は桜を優先するって言ってんだろ。
2番目で良いって言ったのは誰だよ?
つか、今それどころじゃないんだよ」
修は美樹の手を振りほどきながら言う。
2番目?
いつも会ってた?
桜は目を閉じた。
"会ってたんだ。"
紛れもない事実に桜は耳を塞いだ。
「本当だったんだ」
桜は足に力が入らずその場に崩れるようにして座り込んだ。
どのくらい経っただろうか。
桜が顔を上げるとそこには美樹しかいなかった。
修は美樹を置いてどこかへ行ったようだった。
だが桜は立つ気にはなれなかった。
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