47人が本棚に入れています
本棚に追加
もう太陽は沈んでいた。
街灯が寂しく道路を照らす。
いつの間にか美樹はいなかった。
桜はなにも考えず携帯の電源を入れた。
電源を入れた途端着信音が静かな公園にこだまする。
着信画面には光輝。
「桜?!いるのか?」
息を切らした光輝の声が桜を呼んだ。
着信音を頼りに光輝が近付く。
桜は声を出さずじっと息を潜めた。
だがそんな努力も虚しく
「なにしてんだよ?」
そう笑いながら覗きこむ光輝。
光輝の額を伝う汗が、ずっと探してくれたことを物語る。
「帰るぞ?」
光輝は手を差し伸べたが桜はその手をとる気はない。
「…頼まれたんだ。」
光輝はそう言うと桜の隣に座った。
最初のコメントを投稿しよう!