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「無理して笑うな」
光輝は見透かしたように笑った。
桜はその言葉に何も返せず
曖昧に笑った。
「…少し授業サボるか」
少し考えた後光輝はそう呟いた。
光輝らしくないセリフに俯いていた桜は光輝の顔を見つめた。
「あのおっさんの授業はつまらないしな」
そう付け足した光輝は笑いながら来た道を引き返し始めた。
慌ててその後を桜は追った。
光輝はすたすたと駅のホームに行った。
「どこに行くの?」
そう問う桜に光輝はただ何かを企んでいるように笑うだけだった。
そんな光輝の優しい笑顔は、男らしく感じた。
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