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桜は帰りのSHR(ショートホームルーム)が終わると同時に教室を飛び出した。
いつもなら
最後まで修と残っていたクラスを
一番最初に出た。
いつもなら
避けながら歩く人混みを
かき分けながら無我夢中で出た。
そのつもりだった。
だが右手が動かない。
誰かに引き止められている。
否
幽霊かもしれない。
桜はゆっくり自分の右手を見た。
生身の手。
少し安堵したが
その手にはジャラジャラと輝くアクセサリー。
確認しないでも
修と分かる。
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