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「桜?
トイレ…じゃないよね?」
不気味な程の満面の笑みで修は話しかけてきた。
掴まれた腕は
離れるどころか
どんどん力が入る。
「えッと
急用が出来て…」
桜の口は咄嗟に動いた。
「少しでも
無理なのー…?」
先ほどとは別人のように
修は弱々しく問う。
桜を掴んだ手も比例するかのように
力が弱くなった。
その言動に桜は戸惑いを隠せなかった。
「少しなら」
そう言うと
ゆっくり修は桜の腕を離した。
いつの間にか教室には桜と修だけだった。
「いや…もう
いいよ。」
修が俯きながら言った。
その言葉の意味が桜には分からなかった。
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