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「そんなの知らないよ。
もう幸せなんてないし。」
桜はそう投げやりに言った。
「じゃあ今知ればいい。
ため息ついたら幸せが逃げる。」
光輝はそう再び言ったと同時に川に向かって石を投げた。
石は何度か川の上を飛び跳ねた後
川へ沈んだ。
「幸せも今の石みたいに
いつのまにかどっかに消えちゃうんだよ。
ため息ついても一緒。
どうせ消えちゃうのに。」
桜は俯いた。
「幸せを石に例えてたけど
石は消えてないだろ?
見えないだけだ。
川に沈んだら幸せじゃないって誰が決めた?」
光輝はそう意地悪に笑う。
その質問に桜は何も言えなかった。
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