47人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
桜はチクリと痛んだ胸に気づかないフリをした。
すぐに眠った修を桜は再び見た。
悪気のない修。
「寝ぼけただけだよね?」
答える筈のない修に桜は問う。
気持ちよさそうに修は木に身を任せ
眠っていた。
小川がサラサラと綺麗な音を奏でる。
木々は青々と茂っている。
真っ青な空のキャンパスには
真っ白でふわふわな雲が描かれている。
そこには穏やかで優しい時間が流れていた。
そんな時間に
桜だけが置き去りにされた気がした。
もやもやとしたスッキリしない嫌な感情が取り巻く。
最初のコメントを投稿しよう!