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ことりが熱い視線を送ったその先には純一がいた。
「へ……? お、俺?」
「はい!朝倉くんなら知らない仲じゃないから、緊張しないでしょう?」
「で、でも、そんな……朝倉くんだって迷惑だよ……ね?」
純一は、マジか? と視線で、ことりに確認する。あくまで練習とはいえ、自分の恋人を他の女の子に貸すわけだ。普通なら嫉妬するところだろう。
が、ことりは大きくうなずいた。つまり、ゴーサインってやつだ。
こうなった以上、純一に選択権はなかった。
「ま、まあその……俺でよければ、力になるぜ」
「はい、決まりです!ともちゃん、がんばろうね!」
いつになく盛り上がることりの横で、純一は小さくため息をついていた。
続く。
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