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「玲、おはよ!」 「おう!」 「玲くんおはよ」 「おはよ」 教室に入り俺も千尋もそれぞれ自分の席に着いていると、男女関係なく色んな人から声を掛けられる。皆それぞれに挨拶を返していると、ある一人のクラスメイトが話し掛けてきた。 「なあなあ、知ってるか?」 「え?何が?」 「今日転校生来るらしいぜ」 「へぇ、こんな時期に珍しいな」 「だよな~、んでさ」 「なになになに何の話し~?」 俺達が話していると、暇だったのか千尋が話に入ってきた。 「あ、千尋さんおはようございます!転校生来るらしいって話してたんですよ!」 「おっはよ!え~!?まじで!?男!?女!?」 「それはわかんないけど…」 「えー!つまんないのー!」 「すいません」 「千尋落ち着け」 千尋は何気に校内では有名で、何でも物凄い喧嘩が強いらしい。よくわかんねーけど他校の不良に絡まれた時、5人ぐらいを1人で倒したとか倒してないとか。 だからそういう類の男達からは、同級生でもさん付けだったり敬語だったりする。 たまに顔に擦り傷をつくって来るときがあるけど、千尋に聞くと『向こうが絡んで来るから仕方ないの!』としか言わない。 本当は喧嘩とかしてほしくねぇと思ってるけど、千尋は自分から手出すようなやつじゃねぇし、すげぇ優しくて良い奴ってわかってるから信用してる。 ─キーンコーンカーンコーン─ 「席着けよー」 担任が教室に入ってきて、皆一斉に席に着く。 「起立、礼、着席」 何気にクラス委員なんてやってるもんで、号令を掛けるのも俺の仕事。  
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