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「今日は転校生を紹介する」
あ、さっき言ってた…
「緒方、入ってくれ」
─ガラッ…─
教室内がざわめきだす。
転校生が来たからってのもあるだろうが…その転校生が…。
長めの黒髪で前髪は顔が隠れるくらい長い。さらに眼鏡を掛けていてはっきり顔が見えない。背は俺と変わらないくらい。
なんか…暗い…のか?
「緒方馨です」
そう言った声は思ったよりしっかりしていて、こうゆう類の人特有のおどおど感はない。むしろ堂々としている。
「緒方、分からないことがあったらクラス委員の真田に聞いてくれ。頼むな?真田」
「え?あ、はい」
突然話を振られたので、反応が遅れた。
するとこちらを見た緒方という転校生と目が合った。しばらくこちらを見つめた後、ふわっと微笑み、そのまま目をそらされた。
ドキッ
え、何いまの。
なんかわかんないけどドキッとした。
これが、貴方との出逢いで全てのはじまり。
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