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「ハァ…ハァッ、おとなしく観念しろや」 空き地にはさっきの人達と合わせて10人くらいの不良がいた。 それぞれ鉄パイプなどを持っていて、明らかにやる気だ。 ゆっくりと俺達を囲むように近づいてくる。 ちょ…どうしたらいいんだよこの状況! 人生最大のピンチに、もうわけがわからずパニック状態だった。 「…あーあ、初日からこれか」 「え…?」 俺が1人でオロオロしていると、緒方くんが何やら呟いたような気がした。 「…俺等から逃げるとはいい度胸してんじゃねぇか、テメェら」 ガツン、ガツンと鉄パイプを地面に打ち付けながらジリジリと近づいてくる。 怖い…怖すぎる ガタガタと震えが止まらない。 俺…死ぬのか? 「…真田くん」 「へ…?」 俺を庇うように立っている緒方くんが、俺にだけ聞こえるような声で話しだした。 「俺がいいって言うまで目つぶってて?」 「…はい?」 「いいから、絶対つぶっててよ」 不良達はもうすぐそこまで近づいていた。 いやいやいやこの状況で何故目をつぶるの!? 「えっ、何で」 「いいから…俺を信じて」 ─ドキッ… すぐ近くにある緒方くんの顔が、真剣な顔でそう言った。 「いくよ…せーの、はいつぶって!」 「えぇ!?」 緒方くんの声と同時にギュッと目をつぶる。 ─ドンッ ─バキッ 目をつぶってるから全く見えないが、音で何が起こってるのかわかる。明らかに、人が地面に倒れる音や、殴るような音がする。 その音が聞こえるたびに、反射的に体がびくっと震える。 …まさか…緒方くん…っ! 最悪の事態を予感して、つぶってろと言われた目を恐る恐る開けると…、そこには予想外の光景が広がっていた。  
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