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「…あー良かった、真田くんいてくれて」 あの後、俺に気付いた緒方くんは、知り合いに会えて相当嬉しかったのかパァッと笑顔になりこちらに走って来た。 今はふたり並んでホームのベンチに座っている。 …ちょっと緊張してる。 「いやあ、まじで危なかった」 「…もうちょっとで反対方向行っちゃうとこだったよ?」 「いやあ、こうゆうの覚えるの苦手なんだよね」 「じゃあ、昨日はどうやって来たの?」 「ん?勘?」 「えぇ、勘?」 「へへっ」 なんか…ますますわからない。 分かるのは名前と、相当喧嘩が強いってことと…何故か変装してる、ってこと。 今日も昨日出会った時と同じように、黒髪のカツラを被りだて眼鏡をかけている。 …なんか、勿体ない気がする。 金髪似合ってるし、あんなかっこいいのに… 「…てゆうか」 「っえ!?」 「遅刻じゃない?」 「……うん」 そうです、そうなんです。 「真田くんは寝坊?」 「うん、寝坊」 「何で?眠れなかったの?」 「…まあ、うん」 …貴方のせいなんですけどね。 なんて言えないけど。  
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