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急に声を掛けられて振り向くとそこには、少しウェーブのかかった長めの黒髪で綺麗な顔立ちの男の子が、俺の定期を差し出して立っていた。
「………」
「…あのー…」
やばい
やばいやばいやばい
すっげぇ綺麗…
─バコッ…
「…いったーい!」
「あなた何ボーッとしてんですか!すいません、この人のです!」
「あ…じゃ、これ」
「ありがとうございます。ほら、アンタが言わないでどうすんの!」
「…っえ?…あっ」
やば、俺、見惚れて…
「ありがとう…!」
「クスッ…どういたしまして」
そう言ってその人は優しく笑い、駅の改札を通っていった。
─ドクン─ドクン…
やばい…これって…
「蛍ちゃん…俺…一目惚れしちゃったかも」
「は?」
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