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「あっついな~…」
まだ5月だと言うのに、初夏を思わせる気温と日差し。
容赦なく降り注ぐ太陽の光を手でガードしながら、1ヶ月ほど前に新学期を迎えた高校まで歩くのは、俺、真田玲。高校2年生。
「ほんと暑いね~!テンション上がるぅ!」
そして、この暑い中無駄にテンションの高いコイツは、秋月千尋。同じく高校2年生。
「ほんと暑いですね…勘弁してほしいですよ。ただでさえ千尋さんのせいで暑いのに」
可愛い顔と声に似合わず、心底だるそうに毒をはくのは、鳴海蛍。俺らより一個下の高校1年生。
「ほんと…千尋がいるだけで気温2度くらい上がる」
「まじ!?俺すげぇ!」
「いや、褒めてないですから」
俺がぼやいて、千尋がボケて(これでマジだからね)、蛍がツッコんで。
これが、いつもと何ら変わりない通学風景。
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