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私が出した答え
卒業コンサートがもうすぐある。
このコンサートが終わると本当に後は、卒業式の日のみとなる。
その日を前に私は答えを出した。
いつものように、痛み止めの注射を打ちに病院へ行き、先生と話しをした。
もし、音楽を辞めたら、それでも痛み止めの注射は、必要なのか…。
すると先生は、日常生活に支障がないから、今みたいに無理して注射する必要もなく、痛みがひどい時のみ注射すればいいと…。
2年間、よく頑張った。
私は、先生に学校を卒業するにあたり、仕事もほぼ決定だったことも話した。
先生は、喜んでくれたけど、私は、音楽を辞めることを告げた。
原因不明で、ただ痛みを取るしかない治療ならやっても一緒だって。
手の方だって、あんまり長く演奏出来ないから、もちろん練習だって、一日の半分以上していた練習がせいぜい一時間出来るか出来ないか…。
だから、仕事も断った。
本当は、ホテルのブライダル演奏の仕事があったんだ…。
しかも、初デビューのブライダルは、偶然にもお兄ちゃん先生の結婚式だった。
だけど、断ったんだ。
手術した手の薬指と小指がおかしくて、たまにいうこと利かない時があるから。
だから、先生として教えることも、もちろん難しい。
だから、2年間の自分自身を思いきり誉めて、最後の卒業コンサートで精一杯の演奏して終わろうと。
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