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「カタログをお持ちしましょうね」
私は席を立ち、奥に行きヒカルに言いました。
「あなたの出番よ」
「了解」
女性が戸惑っているところにヒカルはにこやかに近づいた。
「カタログをお持ちしました、どうぞこちらでゆっくりご覧ください」
ヒカルのエスコートで女性は店内のテーブルに就いた。
カタログには年齢別に分けられた男女の写真とプロフィール。
「なぜ…?」
女性は少し驚いてヒカルを見る。彼は切れ長の目を細めて少し微笑み、
「だいたいわかります。
最初にああ尋ねるお客様は…少し変わったものが必要だと
。そして貴方は独身で真面目で大変お美しい。育ちも良さそうだし、おそらく…親に誰かを紹介しなければならない。」
光は透き通るような声で歌うように喋ると、一旦言葉を切って女性を見た。
「さもなくば、政略結婚でもさせられてしまう。思い詰めたあなたは意を決してここに来た。」
「…はい…」
女性は恥ずかしそうにうつむいた。
(少し違うがまあだいたいそんなもの…)
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