第一部 開店

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「カタログをお持ちしましょうね」 私は席を立ち、奥に行きヒカルに言いました。 「あなたの出番よ」 「了解」 女性が戸惑っているところにヒカルはにこやかに近づいた。 「カタログをお持ちしました、どうぞこちらでゆっくりご覧ください」 ヒカルのエスコートで女性は店内のテーブルに就いた。 カタログには年齢別に分けられた男女の写真とプロフィール。 「なぜ…?」 女性は少し驚いてヒカルを見る。彼は切れ長の目を細めて少し微笑み、 「だいたいわかります。 最初にああ尋ねるお客様は…少し変わったものが必要だと 。そして貴方は独身で真面目で大変お美しい。育ちも良さそうだし、おそらく…親に誰かを紹介しなければならない。」 光は透き通るような声で歌うように喋ると、一旦言葉を切って女性を見た。 「さもなくば、政略結婚でもさせられてしまう。思い詰めたあなたは意を決してここに来た。」 「…はい…」 女性は恥ずかしそうにうつむいた。 (少し違うがまあだいたいそんなもの…)
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