第一部 開店

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「お決まりになりましたか?」 「それが…なんだかよくわからなくて…」 「ご希望はありますか?」 しばらく考えて美優は答えた。 「できれば、経済に詳しくて、しっかり話せる方で…外見も重視します」 「学歴は?」 「あるに越したことはありませんが…」 それでは…と光はパンフレットを開いて、 「No.10高木さんはどうですか?医学部だし、しっかりしてますよ。年下ですが、落ち着いてます。それかNo.22の中村さん。K大卒の銀行員です。外見もなかなかです。」 うーん、と美優は気乗りしないようだ。 「もう少し華やかな感じが…」 イケメン好きか…。 「それなら、No.3林さん。外見一番人気です。俳優の卵なので演技もお手の物です。No.8成田さん。ミュージシャンです。売れてませんけど、学歴はなんとK大ですか。へー、見かけによらない。」 「知らなかったんですか?」 美優は少し笑いながら言った。 「生憎男のプロフィールには興味ありませんからね。でも美優さんのは忘れませんよ。」 ヒカルはニヤリと笑う。
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